街はトワイライ

CD屋トマト先輩の日々

資本主義の終焉と歴史の危機

f:id:cdya:20161219204746j:image

水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』 集英社新書 2014

 

それまでの国家と資本の利害が一致していた資本主義が維持できなくなり、資本が国家を超越し、資本に国家が従属する資本主義へと変貌している

水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』p81

 資本主義の発展によって多くの国民が中産階級化するという点で、資本主義と民主主義はセカンドベストと言われながらも支持されてきました。資本が国境を越えられなかった1995年までは、国境のなかに住む国民と資本の利害は一致していましたから、資本主義と民主主義は衝突することがなかったのです。

水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』p81-82

 いわば、グローバリゼーションとは南北で仕切られていた格差を北側と南側各々に再配置するプロセスと言えます。

水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』p89

 途中。

 

ブラトマト02 岐阜県岐阜市

ブラトマト02 岐阜県岐阜市

 こんにちは、ブラトマトです。今回は岐阜県岐阜市!なかなか範囲が広いのでぼんやりした感じになりそうな気もしつつ。探索スターツ。

 地図で最初目に入ったのが「鵜飼い大橋」という名称で、あの鵜飼いってここなんだ!とか、なんなら岐阜市の場所もよく知らない、ほんとに知らないことが多すぎます。やることが多すぎる。そしてその有名な長良川(ながらがわ)から、近くの正法寺(しょうほうじ)の岐阜大仏とかみていたのですが、あまりに観光地観光地したブラトマトに、次第につまらなくなり・・・ボツ。もっとブラトマトは実寸大?でゆきます。

 

 

■丸デブ総本店

 今回は先にご飯屋から!本命のうどん屋は探せず!やっぱりその名前で気になって調べたら意外に創業百年?岐阜市民のソウルフード?と紹介もありまして。でも中華そばって何!?よくわかってませんがおいしそうなのでここにします。とりあえず瓶ビールが飲みたい。

 大事→しかし近年思うのは旅の際、ご飯屋はきっちり調べる。残りは行き当たりばったりが吉。という持論。

リンク→[食べログ]丸デブ総本店

 

 

路面電車

 丸デブ(どういう名前なんだ?)もJR岐阜駅~名鉄岐阜駅の比較的近くの街中にあるようですが、ちょっと北まで、その鵜飼いの長良川に行くにはどうしたらいいのかなの、毎度の交通チェック。もっぱら電車がめあてですが、最初に市内「環状線」というのが目に入ったので、これかと思ったら、車道でした。DJ車道。

 2005年まで、路面電車が走っていて、写真見るとやっぱりいい雰囲気ですが、完全に廃止になってしまったようです。そして岐阜も日本有数の車社会!との指摘もあり、まあ沖縄もなかなかの車社会ですが、内地にもそういうのはあって、類に漏れず岐阜も車社会→郊外の大型ショッピングセンターへ客足は流れているようで。駅前のシャッター街。んーこのずっとずっと引っかかり解決しない問題、モータリゼーションなどというキーワードらしい、ここでさらっと巡らせられる問題ではないので、ちょっと来年にかけて、調べてみたいと思う。その手段としてのブラトマトです。(今思いついた)

リンク→岐阜市内線 リンク→岐阜の路面電車

 

 それでは移動手段はやっぱりバスなのだろうか。バスと路面電車は何が違うの?見た目がレトロで雰囲気あるー。それだけなのか、ちょっと調べるとそれだけでもあるようだが、というのもやっぱり路面電車は「街の顔」という側面は大きいと思われる。バスは単なる移動手段であって、他県からバスに乗るために来る方などいるかなあ(そういう趣味もあろうが)。路面電車、省エネ、バリアフリー定時制、などのメリットをみつけたが、でも実際のところどうかはわからない。車におされて消えた路面電車。残してたらよかったのにと、直感では思う。

 

■ロイヤル劇場

 路面電車がなくなったから寂れたのか、寂れたから路面電車なくなったのか・・・柳ヶ瀬商店街を探索しても、かなりシャッターが下りている写真ばかりがでてくる。そう、聞いたことある「柳ヶ瀬(やながせ)」が岐阜市なのも知らなかったです。

 その柳ヶ瀬商店街に映画館がある。いくつかあるようでその中の「ロイヤル劇場」は、500円で!古い邦画ばかりやってるとこみたいで、丸デブ(ほんとにどういう由来なんだ!)からもすぐなので、お腹満たされたら、バスなど乗らずに、この映画館の暗闇でぽーっとしたい気分に。訪れたときは何を上映してるだろう。出たら夜。

リンク→CINEX [シネックス] ロイヤル劇場

 

 

金津園(かなづえん)

 またその近くの岐阜高島屋の11階から見下ろす柳ヶ瀬の街が・・・なにかしらがどよーんとした雰囲気だったのは。どうやらこのあたりには木がないのかな、そういう指摘もありつつ、それだけではなく。しばらく調べてたら少し腑に落ちた、この反対側、JR岐阜駅の南側あたりに、西日本最大級のソープランド街「金津園」があるというではないか。なんか、ああ、だからなのかなという思いが、そのたぶんギラギラのネオンの反動というか影というか、わかりませんが。その風俗街にもいい具合の飲み屋なんかあるのだろうか、こわごわ歩いてみたい。しかし、この街にはなにかしら・・・

 「柳ヶ瀬ブルース」というのはどんな歌だっけなあ。雨の歌だっけ。まだ聞いてみてないけど、なにかしらこの街には雨がにあうような、そんな印象です。

 

柳ヶ瀬ブルース

作詞 宇佐英雄

作曲 宇佐英雄

美川憲一

 

雨の降る夜は 心もぬれる

まして一人じゃ なお淋し

憎い仕打ちと うらんでみても

戻っちゃこない あの人は

ああ柳ヶ瀬の 夜に泣いている

 

二度と逢えない 人なのに

なぜか心が 又いたむ

忘れたいのに あの夢を

思い出させる この酒が

ああ柳ヶ瀬の 夜に泣いている

 

青い灯影に つぐ酒は

ほろり落とした エメラルド

もだえ身を焼く 火の鳥

雨に打たれて 夜に泣く

ああ柳ヶ瀬の 夜に泣いている

やっぱり雨だった。さらに沖縄の文字が。へえーー

リンク→柳ヶ瀬ブルース

その日ぐらしはパラダイス

f:id:cdya:20161210132957j:image

水野阿修羅 『その日ぐらしはパラダイス』 ビレッジプレス 1997年

 

 『叫びの都市』出版イベントでのゲストとして話されていた水野阿修羅さん、その言葉がとても印象的だったので、たぶん唯一の?本を早速手に入れた。京都新聞に連載されていたコラムをまとめたこの本、案の定、釜ヶ崎関連のものとして、また重要な1冊である。いつも「釜ヶ崎」とか「通天閣」をキーワードに本を検索するので、この本はまったく知らずに居た。

 そしてどんな小さな町にも安宿、木賃宿があった。

 だがこれらはたいてい駅裏などの交通の便のよいところにあったため、高度成長期に立て替えられると高級なビジネスホテルになったり、てっとり早く高いお金がとれるラブホテルに変身し、作業衣姿の日雇い労働者など立ち入り禁止にされてしまった。

水野阿修羅 『その日ぐらしはパラダイス』 p92「全国渡り歩くのもたいへんに」

  安く住める場所が無くなる→ホームレスが増える。という単純な構造。

 

 釜ヶ崎から家族持ちや女性が減った最大の原因は安いアパート、長屋がなくなったことにあるが、身障者が減ったのも同じ理由による。バラック街にいたっては完全に消滅してしまった。

水野阿修羅 『その日ぐらしはパラダイス』 p111「温かさ」求める障害者

  そして六一年八月には釜ヶ崎暴動も起こっている。高度成長の波に乗れなかった人びとが釜ヶ崎に集まって来た。子どももいっぱいいた。だが当時は、「スラム」のイメージが強く、バラック街もいっぱいあり、家族で住むことができた。p101

 行政の政策は、ひたすら「スラム」というイメージを払拭しようとすることに費やされた。そのために、子どもを持った家族は、優先的に郊外の公共住宅に移り住むようにされた。※(私には追い出しのようにみえた) 

 七〇年に大阪で万博が開かれることになり、その工事のため全国から男たちが仕事を求めて釜ヶ崎に集まって来た。(私もその一人だが)

 ドヤ主たちは一人でも多くの男を泊めようと、安アパートを壊し、ドヤに立て(ママ)替えた。行政によってバラック街もなくなった。家族で住むスペースがどんどんなくなっていった。そして、女性もどんどん減少していった。

水野阿修羅 『その日ぐらしはパラダイス』 p102「家族ですみにくい街に」

 コラムなのでさらっと読めつつ、実際労働者として生きている阿修羅さんの文字はなんと言っても内容が具体的。釜で実際働いていた実体験、加えて客観的に見る視点も持ち合わせているので、本当にぐっと入ってくる。

 「使いたいときに使える」労働者を数多くストックしておくための、「カイコ棚」「カンオケ式」と呼ばれるような詰め込み式ドヤへの変貌など(ひどい一文だが、労働者はそう扱われてきたということ)、建造環境の変容はまた『叫びの都市』にデータとしても詳しい。→二章「空間の生産」p110 

 釜ヶ崎を調べようとした当初の理由「なぜ萩之茶屋小学校は廃校になってしまったのか?」への回答へつながる流れもここにこうして書かれており、『叫びの都市』を経て、この本でひとまず大阪ディープサウス探索の一幕を閉じれた感じがしている。

ブラトマト01 京都市左京区岩倉

 

「ブラトマト」01 京都市左京区岩倉(いわくら)

 

 はじまりましたブラトマト、最初の土地に選ばれたのは京都!メールに残っている一番古いお問い合わせがこの左京区岩倉○○○からのものでした。こないだ行ったばかりだし、なーんだ京都か(笑)という感じで早速グーグルマップ、イン!

 バーチャルじゃなくて、実際先月訪れた京都も左京区で、少し近い場所。行ったのはバス停「錦林車庫前」あたり、ライブハウス「外」、ホホホ座、安楽寺~、住宅地でもないし商業地域でもないし、なんともいえない大きい道路がここも走ってて。

 

左京区の南部 京都盆地の最北端

 さて、岩倉。もともとは岩倉村だったようで、現在は岩倉○○、岩倉××、というような地名がいくつもあります。wikiには「京都市左京区南部に位置する地域」とあって、な、南部??と疑いながら、調べると、まあなんと左京区のでかいこと。頭でっかち?というのはおかしいが、左京も右京もその大部分が山であることをはじめて知りました。確かにこの範囲からすると南部です。なので、岩倉は「左京区の南部」であり、同時に「京都盆地の最北端」と言えるようです。地図でみてるより、実際ずっと周り山だろうなあ。こんな景色は沖縄には無いのでそそられます。

岩倉 (京都市) - Wikipedia

 

 

宝ヶ池公園(たからがいけこうえん)

 さて、特になにも無い!岩倉。住宅街のようなとこだろうか、京都駅あたりからすると急激に静かな場所だろうなあという感じがします。そして一番目に付いたのがなにか公園的なもの。宝ヶ池公園。「一年中観光客が少ない、京都の穴場スポットで、京都市民が休日にお弁当をもってやって来る、知る人ぞ知る静かな癒しスポットになっています。」とオススメされていて、これはいいんじゃないかな。京都駅なんか行きたくない私としてはこの辺で鳥に餌ねだられていたい。

京都の穴場!本当は教えたくない宝ヶ池ガイド

 

 

■グランドプリンスホテル京都

 その公園あたりを散歩しているとなにやら白い円形のビルジング。なんだろうと思うと公園に隣接しているホテルでした。これはさぞかし高級だしょう。と思いきや意外にお安い感じ。平日ツインで1人6860円あたり。京都だし安いと思いますし、この自然豊かな立地、しかも気に入ったのは駅が近い!京都行って目的地に駅が近かったためしがありませんので、これもポイント高いのでは。しかも烏丸線です。京都駅から1本。ちなみにさっきまで「とりまる線」と読んでいました。ありがとうございます。

トップページ |グランドプリンスホテル京都

 

 

叡山電鉄鞍馬線

 宝ヶ池~ホテルに近いのは烏丸線の国際会議駅ですが、もう一本少し離れているが叡山電鉄鞍馬線が走っている。鞍馬に行くときもいいんじゃないか?その路線の駅に「岩倉駅」があり、しかし無人駅のようで、やっぱりのんびりした感じなのかなーという。岩倉駅すぐ隣に洛北中学校とある。洛北。洛北出版でぴんと来たが、それはまた別の場所だった。そういえばさっきのホテルのサイトにも「洛旅」とあったし、洛ってこのあたりの地域のことなのか?と思いきや。

叡山電車 – 京都・洛北(比叡山、鞍馬、貴船)へ観光旅行

 

■洛=京都
 洛って、京都の古都・・・京都のことだと知りませんでした!京都に入るとき「上洛」出るとき「下洛」というらしい!由来は中国の洛陽をモデルとして作られた町だからなど。

 

京都精華大学

 精華大学は知っています。学祭とか。homecomingsとか。MTとか。このあたりにあったのですねえ。例の叡山電鉄鞍馬線京都精華大前が。

 

 

■今井食堂 

 オススメグルメスポットとしては!(行ったこと無いです)。グッドうどんアンテナが近隣でヒットせず!でしたが、少し離れて今井食堂というとこ見つけました。なぜか両側の壁に向かってカウンターが並んでいるという小さな店みたいですが、サバ煮定食!これは気になります。

https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26001221/

 

 

「ブラトマト」概要

新企画!「ブラトマト(仮)」

毎週木曜(仮)にお送りするバーチャル散歩企画!

 日本全国の数ある市町村からランダムに選ばれた知らない街を、グーグル先生などインターネッツを活用し、座ってながらにして探索してみよう。という企画です。

 

●ルール

■市町村ランダム選出方法

→過去にCD屋にオーダーいただいた方の住所から。
※匿名性を守るため、地名がwikiで出てくるあたりまで、住所の範囲を広げること。+古いオーダー(5年前あたり)からの抽出。

 

■その街はどんな街?

→そこに旅行に行くとイメージし、その下調べ的、いい場所/店/歴史を探る。

※よさげな「うどん屋」もしくは「食堂」を一軒はみつける。

※電車に関して。

 

めあて追記

・デパート屋上の調査(12/15)

 

叫びの都市

f:id:cdya:20161203183648j:image

原口剛 『叫びの都市』 2016

 

 ↑の「通天閣」のタグを遡ってみるとほぼ1年前からはじまった大阪ディープサウス、改め自分的にはまとめて総称「通天閣」についての文献集め。『釜ヶ崎のススメ』そしてなにより酒井隆史氏とのジェントリフィケーションについてのディスカッションで、その名を知り急激に注目すべき人物となった原口剛(はらぐちたけし)氏の確か初の単独の著書。原口さんはまだ40歳です。

 1年追いかけてきて、遂に出る単独本!ということで、勢い余って、そしてここでなにかひとつの締めとして、11/20の出版記念イベントに参加してきました。三角公園のすぐ前、ふるさとの家にて。お昼15時から。

 イベント主催の「はなまま」さんにも事前にメールでやりとりしてもらって、会場でも声かけてくれたり、とてもお世話になりました。西成にまたひとつ知っている場所できたのもやはり今回行ってよかったと思える体験。

 会場の満員の椅子、座っている人たちはホントにいろんな人々、学生や、研究者ぽい方から、ずっと喋ってるおばあちゃん、その隣にはシスター、車椅子の方、そしてこのあたりの労働者ぽいおっちゃんたち。事前にはなままさんのメールの中にあった、「釜ヶ崎らしく、まずは釜のおっちゃんらが主人公だという立場にたちざっくばらんに話し、その中で現実の釜を知ってもらう」という思いを、その場にいるだけで実感した集まりでした。

 

 今回、お話がとても残っているゲストの水野阿修羅さんがひとつ、この『叫びの都市』で間違っているものがあると発言したのは、相撲の件についてだったのが、会場の笑いを誘っていた。本文p252あたり、夏祭りの起源となった1971年12月10日の行政に対する越年要求にむけた決起集会における相撲事件について。本には集会が盛り上がらず早めに終了した「その後」、時間をもてあました人たちが相撲をはじめた。とあるが、阿修羅さんが訂正するには、終わったあとじゃなくて、相撲がはじまったのは決起集会の最中だった!という証言。話がつまらなくて飽きてきたおっちゃんらが、決起集会やってる後ろで、相撲をやりだして、それが正面の舞台そっちのけで、大盛り上がりになってという真実(笑)。仕切っている実行委員からしたら頭痛くなりそうな状況だが、しかしやっぱり面白い。これが釜ヶ崎か。この盛り上がりをヒントに三角公園でスポーツ~のど自慢大会を開催することになり(またその機転もすごい)、それが現在も続く1972年の夏祭りへとつながっていく。

 おっちゃんらの盛り上がりがなんかイメージすると騒がしくもほほえましい感じするが、象徴となる夏祭りのやぐら、三角公園を奪われたモノタチが、真っ先に壊しにくるのもこのやぐらであり、無論同じく決死に守るのもこのやぐらであった話。そして本領発揮!とはこのこと、あっちもこっちも造ってきたプロのおっちゃんらが、ぱっと建ててくれるこのやぐらという、釜ヶ崎のひとつの誇りのような存在は感動するものがあった。

 今移転で揺れるあいりんセンターも壊してはいけない、この釜ヶ崎の門でありモニュメントであるという話。次の日、歩いていたら、警察署のあたりに行列ができていて、気になったのでたどってみるとその裏の四角公園での炊き出しであった。あの光景を体験できたのも大きい。この街は無くなってもかまわない街だろうか?

 

 実は今回、一年追ってきた原口さんでも一番めあてだった酒井隆史さんでもなく、やはり最も残っているのは水野阿修羅さんの言葉であった。あの鈴木組闘争に関わってた人なんだ!?ということでも感動しながら聞き入った。(俺の中で有名人が目の前にいっぱい!)

 阿修羅さんの話を頭で要約するに。「こんな汚い街なんかいらない!」の声がやっぱりあるけど、実際ここに住んでみてこんなに面白い街なんかどこにもない!ということ。全国各地から押し出された、「ややこし人」ばっかり集まってきた街。でもそんなややこし人らは誰とも違って個性的だし、他の街ではのけ者でも、この街では弾かれない。その過去を聞かれることも無い。誰にでも寛大な街、釜ヶ崎

 私が、釜ヶ崎が好きな訳、それは「面白い街」だからでいいんだ。阿修羅さんの話でふっと胸のつかえが取れたような、いや改めて気がついたような、それがこの1年間言えずにいたことだったのかもしれない。

 

 住む、というのは寝るだけではない。食うこと呑むこと、またくつろぎ憩うことなども住むないし暮らすことののなかみだ。そして労働者はドヤの一畳あまりのスペースに住んでいるのではなく釜ヶ崎に住んでいる。釜ヶ崎で酒を呑み飯を食い仲間としゃべり喫茶店や三角公園でテレビを眺めなどする。要するに現在一般化した住居様式でならダイニングキッチンや居間の役割を、労働者は釜ヶ崎という範囲の町に果たさせているのだ。果たさせる以外の方法がないのだ。だから釜ヶ崎は一つの町であるが、労働者にとっては仕事場から帰りついた住み処という性格が認識されている。ドヤはそのうちの単なる寝室にすぎない。酔いすぎた者が寝室以外でも眠るのはむしろ自然なので、そう咎めだてする必要はない。

寺島珠雄釜ヶ崎語彙集 1972-1973』 p120 [酔い倒れ] 

 

 

釜ヶ崎は真冬でも温かい◆

〈『部落解放』2002年04月号掲載〉 水野阿修羅 コラム・水平線020

コラム・水平線020

 

 早速、『その日ぐらしはパラダイス』(1997)を購入。一つの締めとは言え、まだしばらくこの街を探索することになりそう。

f:id:cdya:20161129195151j:plain

大阪放浪記2016秋②

2016.11.20日

f:id:cdya:20161129194733j:plain

いつもは窓開けたら隣の窓なのに一転今回の部屋は絶景でした。1001号室。

 

f:id:cdya:20161129194740j:plain

玉出の公園でのバザーに潜入

f:id:cdya:20161129194749j:plain

枯葉舞うションベンガード

f:id:cdya:20161129194757j:plain

難波屋カレー。

難波屋で工藤冬里さんと少し話せたのは曇った昼下がり。本番は見れなくて残念だったが、瓶ビールの向こうでリハのピアノ少し聞こえていた。

 

 

f:id:cdya:20161129195151j:plain

 今回の旅の目的。この丸一年その著書を追いかけていた原口剛さん、そして酒井隆史さんが目の前に居るのはやっぱ、うあー本物だ。。という興奮が。ゲスト水野阿修羅さんのことは存じてなかったが言葉がとても残っている。釜ヶ崎という家。

 そばに座る酒井隆史さんが大島渚にも見えたりしてたのだが(笑)、原口剛『叫びの都市』の内容は本文にも出てくる『太陽の墓場』と直結していて。あの好きな映画の奥にあるもの、なぜ冒頭が港なのか、そして暴動(実際より映画の方が先というのが予知的?)、いろいろわかって更にお気に入りに。

 今移転の話で揺れるあいりんセンター、そして三角公園の夏祭りのやぐら、そのふたつが釜ヶ崎の門であり、モニュメントである。やぐらは労働者たちの本領発揮!ぱっと作ってしまう、そして何よりも守るべきもの、象徴。

 印象的な、きれいに舗装されたアスファルトをはがして投げつける行為は、お前らの好き勝手にはさせんぞ!という叫び、戦い。闇の奪還。

 

 ◆釜ヶ崎は真冬でも温かい◆  〈『部落解放』2002年04月号掲載〉 水野阿修羅

コラム・水平線020

帰り朝は四角公園での炊き出しの列も見た、飛行機では『暴力の哲学』を再度(正直難しい・・・)、マルコムX、ブラックパンサー、アメリカ、そして沖縄。

 

 

 

2016.11.21月

f:id:cdya:20161129194822j:plain

f:id:cdya:20161129194827j:plain

「伊吹」

今池のとこの老舗喫茶店。玉出をぼんやり眺めつつ。メニューなし店の狭さもコーヒーも濃い印象

 

f:id:cdya:20161129194834j:plain

f:id:cdya:20161129194838j:plain

ディスクユニオン大阪店」

やはり気になり。勝手に心斎橋かと勘違いしてたが梅田の方。園まり嬉しい。

 

f:id:cdya:20161129194844j:plain

f:id:cdya:20161129194848j:plain

「つつみや」

ハイカラうどん400円。チェックしてた天満のうどん屋さん。「ハイカラうどん」なんてメニューにはないこと知らなかった。天かすの油と海苔ネギの合わせがとてもいい。

 

f:id:cdya:20161129194855j:plain

去年の3月桜満開だった扇町の公園。紅い!桜って紅葉するの知りませんでした。

 

f:id:cdya:20161129194935j:plain

レアな輝かない通天閣。(工事中)祝還暦!

大阪放浪記2016秋①

2016.11.18金

f:id:cdya:20161129193207j:plain

f:id:cdya:20161129193231j:plain

f:id:cdya:20161129193236j:plain

「たつ屋」

ホルモン鍋1人前800円。動物園前のファミマの裏。相撲見ながら。うまかった。

 

f:id:cdya:20161129193249j:plain

f:id:cdya:20161129193253j:plain

「喫茶マヅラ」

梅田地下街。万博あたりの内装だろうかまばゆいカラクリプラスチック。フルーツパフェ

 

f:id:cdya:20161129193301j:plain

f:id:cdya:20161129193304j:plain

「ひげ勝」

西成花園。ここの串カツは別のとちょっと違う。やっぱうまいす。青唐、しいたけ、ぶた、、

 

 

 

2016.11.19土 京都

f:id:cdya:20161129193311j:plain

「みつ蜜 坤高町店」

佐野千明さんにはじめて遭ってきた。さのっちって感じだった。佐野さんが店番してる焼き芋屋さんだよ

 

f:id:cdya:20161129193321j:plain

紅葉の安楽寺

f:id:cdya:20161129193328j:plain

ホホホ座

ホホホ座の壁に並んでいた『まだまだ知らない夢の本屋ガイド』の原画展、少し思い出している。本はその日は買わなかったがやっぱり気になるので買おう。「ポチッ」世代へのカウンターとしても面白い。

f:id:cdya:20161129193337j:plain

街のパン屋さん

 

f:id:cdya:20161129193346j:plain

f:id:cdya:20161129193352j:plain

「倖元」(ゆきもと)

ここしか開いてないから。という理由で飛び込みで入った蕎麦屋があたりだった!玉子とじ(十割)950円。瓶ビール

 

f:id:cdya:20161129193359j:plain

f:id:cdya:20161129193404j:plain

豊田道倫ライブ 外

京都の少し外れ。あ、はずれだから「外」か?新しいおしゃれなライブハウス。豊田道倫。金ぴかのあのスニーカー。いつも通り聞いたことない=新曲にぐっと気持ちが乗っている。飛び道具の使い方もさすが絶妙。豊田さんは私の数少ない友人。

 

原口剛さんインタビュー

紙面掲載した書評をご紹介 「図書新聞」の書評コーナー

 上記リンク先。「図書新聞」3130号2013年10月12日掲載と思われる『釜ケ崎語彙集1972-1973』への原口剛さんインタビュー。そのとてもわかりやすい釜ヶ崎の成り立ちについての語りは、『釜ヶ崎語彙集』へのというよりも、そのままその後2016年に出ることになる自身の著『叫びの都市』の要約になっているようだ。

 詩人「寺島珠雄」を中心にして書かれた『釜ケ崎語彙集1972-1973』は40年という時の歪み?も手伝って、ユーモアも交えかなり主観的に、ちょっとした小説のようで面白い。この記録を種に『釜ヶ崎のススメ』~『叫びの都市』へ。釜ヶ崎関係の重要書と思われる。