街はトワイライ

CD屋トマト先輩の日々

通天閣

本の森

少し時間が空いたので、久しぶりに「じのん」へ。 そしたらこの二冊に遭遇し、流石じのん!という記録。 近年なかなかでない『幻想の街・那覇』やっと見つけた。 そして本の森を探検していたら、見慣れない分厚い『釜ヶ崎』の背表紙。 釜ヶ崎関連はいろいろ…

冷却

VJ企画の外タレライブがことごとくキャンセルになっている件に部外者ながら憤りを感じているが、そこから、インターネットの無い時代にも同じことが起きていただろうかちょっと想像膨らませてみる。例えばライブ会場でキャンセルが告げられるとしよう。集ま…

その日ぐらしはパラダイス

水野阿修羅 『その日ぐらしはパラダイス』 ビレッジプレス 1997年 『叫びの都市』出版イベントでのゲストとして話されていた水野阿修羅さん、その言葉がとても印象的だったので、たぶん唯一の?本を早速手に入れた。京都新聞に連載されていたコラムをまとめ…

叫びの都市

原口剛 『叫びの都市』 2016 ↑の「通天閣」のタグを遡ってみるとほぼ1年前からはじまった大阪ディープサウス、改め自分的にはまとめて総称「通天閣」についての文献集め。『釜ヶ崎のススメ』そしてなにより酒井隆史氏とのジェントリフィケーションについての…

大阪放浪記2016秋②

2016.11.20日 いつもは窓開けたら隣の窓なのに一転今回の部屋は絶景でした。1001号室。 玉出の公園でのバザーに潜入 枯葉舞うションベンガード 難波屋カレー。 難波屋で工藤冬里さんと少し話せたのは曇った昼下がり。本番は見れなくて残念だったが、瓶ビール…

大阪放浪記2016秋①

2016.11.18金 「たつ屋」 ホルモン鍋1人前800円。動物園前のファミマの裏。相撲見ながら。うまかった。 「喫茶マヅラ」 梅田地下街。万博あたりの内装だろうかまばゆいカラクリプラスチック。フルーツパフェ 「ひげ勝」 西成花園。ここの串カツは別のとちょ…

原口剛さんインタビュー

紙面掲載した書評をご紹介 「図書新聞」の書評コーナー 上記リンク先。「図書新聞」3130号2013年10月12日掲載と思われる『釜ケ崎語彙集1972-1973』への原口剛さんインタビュー。そのとてもわかりやすい釜ヶ崎の成り立ちについての語りは、『釜ヶ崎語彙集』へ…

西萩町

どうしても目指すは西萩(にしはぎ)である。おぎではない、はぎ。チエちゃんの住んでる町であり、はるき悦巳の出身地。今の地図には無いが架空ではなく、実在していた町。プレート※によると大正14年~昭和48年(1925~1973年)まであった町。 そのことはじ…

通天閣 第一章「ジャンジャン町パサージュ論」

しかし、このような短期的利潤取得への動機が強かったからこそ、というようり厳密にいえば、長期にわたる人間の教育やそのための装置の構築などには興味をもたなかったからこそ、大土地の動きは、もともと当該の土地あるいは空間性がはらんでいた潜在的傾向…

通天閣

ほぼ一年ぶりに読み返し始めている。酒井隆史の大著『通天閣』。1年前にここから始まっていろいろ巡って一度戻ってきた。14ページに及ぶ膨大な巻末の参考文献ページ、通天閣~いわゆる大阪ディープサウスに関する資料用資料としても起点となる1冊である。 た…

通天閣

「ディープサウス」と呼ぶのはなんか違和感を持つので「通天閣」でまとめる一連の。

反東京オリンピック宣言

(~)支配勢力の第一の狙いが、2011年3月の複合災害によって引き起こされた社会的亀裂、国家的危機を、スポーツナショナリズムの鞭を全力で振るって正面突破しようとしている点にあることは、自明とはいえ、繰り返し確認しておく必要があるだろう。 鵜飼哲 イ…

逃亡の近代

私はそれを「生業のなだらかな平面」と呼んでいる。こうしたなだらかな平面がさまざまな規制や法的ルールによって水路づけられ、がんじがらめになるにつれ、人は、賃労働か失業かという二者択一につねに直面し、日々不安と恐怖に苛まれながら賃労働の体系を…

鶴一

「鶴一」 ホルモン屋。西成警察署前を南へ過ぎた十字路を右に曲がった萩之茶屋商店街にある。向かいはしばしば投石されたパチンコ屋日大会館。(中略)カウンターと椅子席のほか奥に小上がりの畳敷もある。 『釜ヶ崎語彙集1972-1973』p136 完全にイメージは…

キタの九階、ミナミの五階

そろそろ通天閣を離れようと読み始めた『浅草十二階』。序章22ページ目にして大阪へ戻される(笑) 元祖「凌雲閣」は大阪のキタにあった。浅草十二階よりほんの少し前、今の茶屋町あたりに「九階」建ての楼閣が、更にそれよりさらに少し前には日本橋に「五階」…

現代思想 大阪

現代思想 2012.5 特集大阪 黒不浄 赤不浄 中沢新一 「アースダイバー的大阪の原理」 天使 万博、それは二十一世紀の現在からしたら、いわば過去に描かれた未来として回顧される。やはりわたしたちは未来のおわったあと生まれてきたのである。たしかに幼いこ…

通天閣

暑さが和らいだくらいからだっただろうか、急に本を読まねば!と思い立ち続けざまに、しかも通天閣~新世界~釜ヶ崎あたりのモノを集中して読んだ。さすがにちょっと息切れ気味でまだ数冊読んでないものあるが。 初代通天閣、ルナパークが開業した大正初期の…

飛田ホテル

黒岩重吾 『飛田ホテル』 1971 なかなか探せなくてやっと見つけ、読んだ。出てくるのは飛田、釜ヶ崎、天王寺・・・あのあたりを舞台とした男と女のミステリー?何かしら過去を背負っている女性が中心となる物語だが、なんというか読んだ後の残り香としては、…

都市大阪 文学の風景

橋本寛之 『都市大阪 文学の風景』 2002 通天閣、新世界、釜ヶ崎の本を読み始めて何冊目だろう。簡潔ながらも深くいい本であった。これがひとつの起源とでも言えるような。確かに酒井隆史『通天閣』の中でジャンジャン横丁に関する重要なイメージを「卓抜」…

釜ヶ崎のススメ

『釜ヶ崎のススメ』 2011 丁寧に作られた本だなと思った。それはそれだけの思い。これ1冊あれば、釜ヶ崎の成り立ち、歴史、住んでる人たちのこと、問題、現状、まで一通りわかると思われる。読んでいる途中にふと流れででてきた1990年の釜ヶ崎暴動の動画を見…

テツ

1972年の鈴木組闘争や第一回夏祭りのための三角公園奪還劇を知って、真っ先に思い浮かんだのはテツ。ヤクザどつき回す彼はヒーローじゃないけどやっぱりヒーローだったのかもしれん。じゃりン子チエの世界も労働者とヤクザと警察。ちょっとズレてんのは、テ…

あいりんと釜ヶ崎

(1961年に起こった第一次暴動を端に大掛かりな釜ヶ崎対策が開始され、) 家族を釜ヶ崎から移転させる、その一方でひとり身の労働者を流入させる。すると当然ながら、釜ヶ崎はひとり身の男性労働者のまちへと塗り替えられていく。1960年代の釜ヶ崎は、いまと…

地図・メディアに描かれた釜ヶ崎

水内俊雄 『地図・メディアに描かれた釜ヶ崎 -大阪市西成区釜ヶ崎の批判的歴史地誌-』 http://kamamat.org/yomimono/ronbun/mizuuchi_jinbun53.pdf pdfで読めます。 釜ヶ崎と現在も呼ばれる場所へのイメージ。その街の成り立ち。 大島渚の『太陽の墓場』は…

大阪モダン

橋爪紳也 『大阪モダン』 1996 あとがきも近い最後のほうに、「しかしビルの谷間をジェットコースターが駆け抜けてゆくという、じつに奇抜な複合施設が、まもなく完成する。加えて天然温泉も掘りあてられたそうだ。(p210)」とある。そう、この本がでたのは19…

恵美須通り

通天閣から、放射状に北に向かって合邦通、玉水通、恵美須通の3本の通りは現存し、合邦通の名はそのまま、玉水通が春日通、恵美須通は通天閣本通商店街となった。市電、阪堺電車の駅から通天閣に至るこの通りが一番の目抜き通りだった。 「新世界」恵美須通…

今宮村

大阪今昔地図(?) 1908(明治41)年7月20日 大阪市街全図 明治41年大新版 1908(明治41)年5月6日再版発行 まだ新世界が無い。阪堺線も無い。天王寺支線(元は馬車鉄道?)、高野線って古いんだなあ。 リンク元 釜ヶ崎資料センター 資料室トップ

通天閣

酒井隆史 『通天閣』 2011 頭が通天閣。 やっと読み終えた。734ページ。 参考文献だけで14ページある。芋づる式にいくつもさらに気になる本があるが、チェックするのに半年はかかるんでは。 感想とはいってもありすぎでそれ書くのにも半年・・・はかからない…

ジェントリフィケーション

引用したい部分がいくつもある。都市を見る上で大事な考え方がいくつも。 トークセッション 原口剛×酒井隆史 「大阪から考えるジェントリフィケーション 〜 都市は滅びるのか?」 感想・紹介 - Togetterまとめ 『通天閣』からの「ジェントリフィケーション」…

大阪市電天王寺車庫

酒井隆史『通天閣』P349より さらに元は宮本三郎『アナーキスト群像回想記』より 大正六年頃の新世界あたりを回想した手書きの地図に、知らない線路が。なんだろうはじめてみた。カスミ町駅?(南霞ではなく)至・北浜?現在の堺筋線みたいだが、関西本線と…

ジャンジャン横丁

新世界に、それが排除したあるいは抑圧した異質な「前近代的」要素が、ジャンジャン町という「腸管」をたどって当の新世界に逆流して復讐をとげる、というイメージは鮮烈きわまりない。ここが私たちの出発点である。 酒井隆史 『通天閣』P172 注釈より この…