街はトワイライ

CD屋トマト先輩の日々

通天閣とカフカの迷宮

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保坂和志 × 酒井隆史 (文學界 2012.7)
 
酒井 
フロイトが、たしか、秘密をもつことが自我の始まりだと言ってましたよね。とにかく、まずいったん閉じなきゃいけない。そこから開くことを実践していけばいいんで、いきなり開くから何もなくなってしまうんです。自分のコアがなくなるというか、人間の集団の中で個たらしめている実がなくなってしまう。個人主義がどんどん蔓延してるのに、逆に個が希薄になっていくのは、一つには閉じ方がわからなくなったからではないでしょうか。〜」 P152-153