街はトワイライ

CD屋トマト先輩の日々

Satomimagae 『Koko』について

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1月の現状ひたすら聞いているこのアルバム。去年の春に佐野千明『屋上の終集合曲集』をひたすら聞いていた時と似ている。

ちょっと前に1st『awa』を手に入れたことにより、多少紐解かれた感もあるけれど、このアルバムひたすら回しているのは、やっぱりどうしてもよくつかめないからだと思われる。歌詞もだいぶわからないし、そしてちょっと思い出したのは千と千尋の主題歌「いつも何度でも」だったするそのメロディの乗っけ方、間が独特すぎて、いくら聞いても覚えられない。

レビューに「暗闇で光るなにか」と評したが我ながらうまいこと例えたなと思われるその感覚はキープ中。プロフィールや本人の顔までわからないのがその危うさを深めていると思う。いいこと。そのレビューでたくさんの音楽のエッセンスを感じると書いたが、1stを聞くとそれも当たっていたようで(1曲だけトランペットとの弾き語りがあってそれがとてもいい)、1stはムードはいいけれどまだ散漫で、この2ndが断然に良い。音の少なさ、シンプルさが、他のものを排除したそれではなくて、いろんなものを凝縮に凝縮したそれであるところにSatomimagaeの音の魅力があるように思うが、それがみごとに『Koko』では成就している。

かなりの密度の高さ。感覚はノイズ。似てるサウンドをあまり思い出せないけれど、マーカスポップが日本人女性とやってる「SO」というユニットに近いなあと感じる。(そしてよく目にするのがgrouperというアーティスト。興味あり)さらに面白いのは密度高いのだけど、どうも同時に肩の力は抜けているような不思議さ素朴さ。そこがニューエイジなのか。一体なんだろう?なんなんだろう?と聞いていくうちに、深く入り込んでいってしまう。

 

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