街はトワイライ

CD屋トマト先輩の日々

THURSDAY AFTERNOON 013

#Thursday Afternoon

013

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Brian Eno

Lightness

1997

⭐⭐⭐⭐

 

 周期的に訪れるイーノ期が来ているので今回もイーノ。まず「LIGHTNESS」を訳するとなんになるだろうか?重さの方ではないはずで、DARKNESSの反対の方、暗闇の対義語は?という意味だが、すっとは出てこなかったので調べると「光明」とある。いまひとつピンとこないというか宗教用語?な感じで少しずれる気がする。「闇」の反対は「光」だろうか「灯」だろうか?LIGHTNESS=明るいところを意味する適度な単語は果たしてなんであろうか?それを探しながらこのアルバムをぼーっと聞くのはいいかもしれない。

 6枚組のため腰を据えて聞くのを後回しにしていたBOX『MUSIC FOR INSTALLATIONS』に改めて着目して聞いていっているのだが、その中のDISC3『LIGHTNESS』を今回はピックアップ。このアルバムも一般発売はされていない「Eno Shop」CDの中の1枚であるが、その中でも一番聞いててしっくりくることに気づいたので、またもや単独でCD化した。オリジナルのCDも存在はするがやはり入手困難である。

 リリースは1997年、ロシア「マーブル・パレス」でのインスタレーション用音源。実にシンプルかつ明るい(LIGHTNESSだものな)雰囲気のドローンで、2トラック(32:00+25:00)とアルバムの配分も心地よく、珍しく?お昼寝にも良さそうだ。カラフルではなく単一系統の淡い色のグラデーションがゆっくりと流れていく。

 このアルバムの後2000年代以降のイーノ作品は、少々ダークなムードが続いていくし、例の「IKEBUKURO」から発展していったインスタレーションものは、結構どれも似たようなもので、さらに例の「KYOKO INATOME」なる人物のボーカルサウンドが何度も何度も多用されるので(さすがにイーノ先生使いすぎじゃ!?笑)、あまり気に入った作品が無いというのが現状である。(具体的に作品を挙げると『Music For Civic Recovery Centre』『Compact Forest Proposal』『77 Million Paintings』「Kite III」あたりはどれも似ている。)そしてそれらの完成形とでも言えるだろうか、個人的には最後の生成音楽と呼んでいる『Reflection』とつながっていく。

 今回取り上げたほんのりした明るさを放つ『LIGHTNESS』は、『Discreet Music』『Thursday Afternoon』そして『Sisters』が同一系統だと感じる。『Lux』もかな。今回6枚BOXを改めて広げ聞いてみて感じているのは、

私が求めるイーノの音楽について、

・ビートは要らない。

・ボーカルは要らない。(声サンプル込)

あとこれはイーノに限らずだがSE的な鳥とかの自然音もあまり好きではない。

 私は一体誰に向かってこう強く主張しているのだろうか!?イーノ先生、とりあえず『LIGHTHOUSE』(未発表曲を垂れ流し続けるラジオ局)を日本でも聞けるようにしてください!(聞けるのか?)

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